少しづつ暑さが和らぎつつありますね。夕暮れも暗くなるスピードが徐々に速くなり6時過ぎには日が落ちてきています。但しもうすぐ10月に近づくというのに30度近くある暑さは少し異常だなと思う今日この頃です。
さて一つの現場が終わり少し時間ができたので、私の道具たちを少し新調しました。
一つは鑿です。今まで使用していた鑿は、昔いた職人さんが使用していた鑿を研ぎなおして使用していました。ただ、その職人さんの鑿の刃角をかなり鋭角に研いでいたため切れやむのが早く刃が欠けやすくとても扱いづらい手のかかる子でした。
そこで、よく使う刃幅の物を少しづつ購入していくことも考えましたが、思い切って全部の種類を取り換えることにしました。
全ての鑿に刃を付けて、カツラを下げて使用できる状態に持っていくのに1日費やしました。ひとつ2分の鑿の刃裏のみ平らでなく裏出しをしてもなかなか直らなかったので、少しづつ調整していこうと思います。
もう一つは玄翁です。本当は、乾燥した1月~2月に玄翁の柄を挿げ替える方が良いようですが、時間の空いた今の時期にすることにしました。
私は舟出玄翁を購入しました。銘は藤六。玄翁にも専門の鍛冶職人さんがいらっしゃって、菱貫、弘樹、弘輝、幸三郎などあり中には手に入りづらいものなどは骨董品扱いの物まであるみたいです。私は道具は使ってこそだと思うので、そこまで高いのは必要ありません。一度見てみたいとは思いますけどね。
舟出玄翁は金槌にも分類されますが、呼び名も色々あるようですので興味のある方はググってみても面白いと思います。この玄翁は片側が尖がってますが、だるま玄翁になると両方とも叩けるようになっています。だるまの場合は片側はまっすぐでもう片方は緩いカーブが付いていて、木材を叩いた時に傷が付きにくいようにできています。弊社にも組立用に一つ持っています。
上の写真のように、玄翁と柄は別々に購入してみました。もちろん新品で玄翁に柄付きのものも売ってはいますが、折角ならと柄は別で購入し挿げてみることにしました。
柄はグミの木を購入。色々調べてみて、まずはグミの木でやってみることに。白樫、青樫、栗、桜、欅などなど、たくさん候補はありましたがグミは弾性があって玄翁の反動が手に伝わりにくいとあったので試しに挿げてみることにしました。柄には実のなる木がおすすめの様です!
玄翁のヒツ(柄を差し込む穴の事)の面取りを行い、柄をヒツ穴より1.5ミリ程度大きく削り合わせます。そして削った先を木殺しをしておきます
先端を1ミリ程度叩きこんでから、柄を持って柄尻を金槌で叩くとヒツ穴より大きい柄が不思議なことに入っていきました。全てググってやり方を調べたわけですが、結構うまくいった気がします。
玄翁が入りきったところで、柄の先端に水滴を垂らし木を膨らませて抜けないようにするみたいです。これもネット情報で真似してみました。
ついでに、前から使用している玄翁も柄を挿げ替えてみました。楕円の黄色い方が今回新しくしたグミの木の玄翁。
おにぎり型の柄の方が前から使用している玄翁で柄は、カバザクラを使用してみました。弊社の在庫や材木屋さんでも樫など玄翁の柄になり得る樹種が無く、固そうであまり狂いの少なそうなカバザクラにしてみました。
カバザクラの30角程度の端材から削りだして形を作りました。木目はとても綺麗でしたが、そのうち抜けちゃうかもしれないですね。どちらも玄翁の柄にはくさび無しで付けていみたので、乾燥したら抜ける可能性もありますね。少し様子見です。
そんなこんなで鑿と玄翁が私の新しい相棒となりました。大事に、手入れをしながら大事に育てていきたいと思います!