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2019.06.16 | 建築, 建具

名古屋出張その一(建具フェア編)

土曜日は仕事と仕事の合間をぬって名古屋まで出張に行ってきました。日帰りの強行スケジュールです(笑)前日夜の仕事終わりに夜行バスで出発して明朝5:30に名古屋駅に、、、7時まではお店が開かないので駅構内で少し休憩。

全くどう回るか決めてなかったので、朝ご飯をとりながら、スマホと睨めっこ。

せっかく名古屋まできたので建具フェアだけじゃもったないですよね!

取り敢えず、一番の目的は名古屋国際会議場で行われる建具フェアを覗いてみることだったので、それメインでスムーズに回れるよう予定を立てて出発。

今回はネットで調べた地下鉄1日乗りホーダイのチケットを購入。

建具フェアは全国建具組合連合会が行なっている催しで、賞を受賞した建具や組子作品を展示販売していたり、協賛メーカーが出店していたりと建具とは関係ない一般の方でも楽しめる展示会になっていました。

実際、建築関係や建具木工関係の人以外にも、若い女性の方や家族連れで来られていたりと賑わっていました。展示作品は写真を撮っても良く、スマホや一眼で撮影している方がたくさんいました。私もガッツリ撮って勉強させてもらいました!

↑名古屋国際会議場のアプローチ。

着いたのが10時30分前、中に入ってみるとからくり人形師の玉屋庄兵衛さんが講演されていました。なかなか、お話を聞く機会が無いので観て回る前に席に着いて最後まで聴き入ってしまいました!

途中からだったので残念でしたが、最初「弓曳童子」の実演、説明でした。元々は江戸時代に田中久重(後の東芝の創業者)が考案した物で図面が残されてなく、オリジナルを分解、採寸して一年を掛けて製作されたのだとか。オリジナルはトヨタコレクションとして保管管理されているそうです。

また、お話しされていたのは一年を通して組み立てをするのは6月から8月にかけてのこと。理由は湿気があり水分を含んだ状態で組み立てれば冬場に木が乾燥しても動かなくなることはまず無いそうです。逆に冬場組み立ててしまうと梅雨時期に木が水分を吸って膨らんで動かなくなるんだそうです。

木の種類も人形の部位によって何種類も使い分けていると話されていました。

そのあと、「文字書き人形」「茶運び人形」の実演、説明がありました。今回見せてくださった文字書き人形は作者が不詳なものの、口と手に筆をセットされ片手に持った版に文字を二文字同時に書くと言う凄技を持っていました!松と竹を同時に書き、版に梅の柄が描かれていると言う縁起の良いものだそうです。文字を書くだけでも凄いのに二文字同時に書くなんて驚きです。

話を聞いて、観察してみると本当に素晴らしい物というのがヒシヒシと伝わってきました。一番凄かったのは弓曳童子が弓を掴んで狙いを定めるまでの顔の表情が本当に狙いを定めているかのように見えたのには驚きました!首の角度や表情の影などが影響してるのかもしれません。

とても、貴重なお話と実演を観ることができて良かったです。

弓曳童子。扇に4本の矢をセットし、矢を掴むだけでも凄いのに矢を射るのですから本当にびっくり。江戸時代にそれを考案していたのですから驚きです。

 

こちらは文字を書くからくり人形。写真の右側が松で左側に書かれているのが竹と読むそうです。口と手に筆を持って二文字同時に書くなんて凄すぎます。

茶運び人形。お茶の湯呑みを乗せるとお客様まで運んで湯呑みを受け取るとUターンして戻ってくるという可愛さ。畳半畳行って半畳戻ってくるように計算されているのだとか。

からくり人形の顔には人形師の思いが宿るのかもしれませんね!とても素敵なお顔をしていました!

講演が終わったので作品を見て回りました!

こんな、立体的なお城の作品もありました。組子だけで仕上げているなんて思えない仕上がりです!

たくさんの種類の組子の柄。とても素敵な作品ですよね!

↑因みに枠の中におじさんが2人いますがデザインでは無いですよ(笑)たまたま、後ろにいた方が透けて見えているだけです( ̄▽ ̄;)

おもて面。パッと見、組子を編んだように見えますが、実はこれも組子を組んでいます。本捻り組と言う技法です。でも本当に編んでいるように見えるから不思議です。

こちらが裏面。おもて面は編んでいるように見えましたが裏から見ると組んでいるのがよく分かりますね!

今回個人的に一番綺麗な建具だなぁと思ったのがこちら。パッと見たら、細い桟が並んでいると思いきや、

近くから、横から見ると波状になっているんですよね!これは綺麗な建具だなぁと感心してしまいました。このデザインの建具は初めて目にしました!

色んなデザインの建具を見る事ができて面白かったです。

あと因みに恐竜もいましたよー!

作品のあとは金物メーカーなどを見て回りました。 まだ建物探訪前だったので結構貰いすぎて重かった(><)

それでも今回の収穫として、(株)ミツギと言う金物メーカーですが初めて知りました。(私の勉強不足でもありますが、、、)

真鍮製の金物をメインに作っているメーカーらしいのですが、シンプルでとてもカッコいい金物が多かった様に思います。

中でも、打ち掛け錠だったり面付きの鎌錠は大手メーカーにはまず無いシンプルでスッキリしたデザインの錠だったので個人的に良いなぁと思いました!カラーも揃っているので、そこも含めて良かったです!

建物探訪の話もするとまだまだ書いてしまうと思うので、次のブログで書こうかと思います!

初めて訪れた建具フェアでしたが女性同士で来られていたり家族連れで来られている方も多かったので、もし近くで開催された時には出掛けてみると楽しいと思います!

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